ブランドを守り、子どもたちを守る。ポケモンカードゲームのアートの使命
S.H.
美術大学で油絵を専攻し、卒業後は新卒でアニメ制作会社に就職。制作進行を経て、制作デスクとしてアニメーション制作に携わる。当時、業務の傍らで描いていたイラストが商品化される機会などもあり、本腰を入れてクリエイティブ方面にキャリアチェンジしたいと考え、2018年、クリーチャーズに転職した。
2021年3月25日
私はポケモンカードゲームのイラストディレクターと、イラストチームのサブマネージャーを担当しています。前職では進行管理がメインだったので、クリエイティブ面での自信はあまりなかったのですが、クリーチャーズでは作画スキルやイラストの知識を評価してもらうチャンスがあり、入社時からディレクション業務を任せてもらうことができました。
イラストディレクターとしての業務は、イラストの企画や資料作成といった作家さんへの発注前の工程と、納品物のクオリティのチェックが中心になります。私たちはカードのイラストそのものを描くわけではありませんが、シリーズを通したアートのコンセプトを固めるという重要な役割を担っています。イラストによってはポージングや構図を伝えるために自らラフを描くことなどもあり、そうやって自分が悩んだりしながら、思い描いた世界観や構図が商品になっていく過程は楽しいですし、特に作家さんが想像を上回るような素晴らしいイラストを仕上げてくださった時はとても気持ちが盛り上がります。
ポケモンのアートを創造していく上では、ポケモンがこれまでに作り上げてきた世界観が重要です。世界観を歪曲する描き方をしてしまったり、説明しすぎてしまうことで、ユーザーの想像、空想する余地を奪ってしまわないように気をつけなければいけません。ブランドに対する高い意識を持った環境で働けることは、クリエイターとして大きな成長につながっています。
私はイラストのアイデアを描き起こすことが多いのですが、作業用にiPadを購入してもらい業務で使用しています。私に限らず、ほかのメンバーもデュアルモニターなど自分の働きやすい環境を構築して業務に取り組んでいます。設備環境は希望に応じて整えることができますので、在宅でのリモートワーク環境でも十分に力を発揮できます。
仕事以外では、映画や、音楽、漫画などのエンターテイメントには幅広く触れるようにしています。新しいもの、流行っているもの、クラシックなものなど、ジャンルを絞らずたくさん見ることで、例えば、「こういう音楽を聴くと元気が出る」、「この画作りは泣ける」など、表現における引き出しが多いほど仕事においても役に立つと感じています。とはいえ、いつも分析しながら見ているわけではなく、単純にいち鑑賞者として触れて、後から記憶を引き出している、というのが本当のところです。前職では多忙で、そういった時間をとるのも大変でしたが、今では仕事が終わった後に映画を観る時間もあるのが嬉しいです(笑)。