Interview

社員インタビュー

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技術の底上げと基盤づくりで、クリーチャーズをもっといい会社に

K.T.

デジタルゲーム開発 Unreal Engine プログラマー プログラミング

複数のゲーム会社で多くの開発プロジェクトを経験し、幅広いスキルを身につけたオールラウンダー。製品側に近いCGや描画に特化したキャリアを実現したいと考えていたところ、プログラマーの勉強会で再会したクリーチャーズのメンバーからの誘いを受けて、入社を決めた。

2022年2月17日

作るのは万能の道具ではなく、プラスになる仕組み

私は『名探偵ピカチュウ』の続編に関するプロジェクトで描画周りのプログラミングを担当しながら、環境開発室で今後のゲーム制作全般に関わる基盤となる仕組みを作っています。プロジェクトを料理に例えるなら、時短でおいしく完成させるための圧力なべを作ることが私たちの仕事です。仕組みを開発することによって、何人の仕事が何時間短くなるのかという費用対効果を考えながらさまざまな仕組みを自動化するため、頑張れば頑張るほど仕事が効率化されていきます。

プロジェクトでは、ポケモンCGスタジオのアートチーム*から寄せられる要望を受けて開発を進めます。しかし「なんでもできる万能の調理器具がほしい」といった要望をそのまま実現すると時間もお金もかかる。「作業で一番大変なのはどこか」「どのように改善されると効果があるか」という本質を確認するコミュニケーションと、理解力が求められると感じています。

例えば、開発工程で各ゲームシーンの重さを計測する際に、「もっと計測しやすいツールがほしい」という要望があがりました。しかし本当に求められているのは「計測がしやすい」ことではなく「計測データがすぐに確認できる」ことのはずです。そこで、毎日全アートデータを自動的に計測し出力するシステムを作り、そもそも計測の手間をなくす仕組みを作りました。要望に対しては、できるかぎりプラスの提案ができるように考えていきたいですね。

* ゲーム中に使われる、3Dモデルの作成や、企画から要件にたいするモーション、エフェクトの作成などを行っているチーム

多くの選択肢から選んだ、ポケモンのCGを作る仕事

私がクリーチャーズに入社したきっかけは、以前一緒に仕事をしたことがある方から「CGプログラマーがほしい」と声を掛けていただいたことです。これまでいくつかの企業でゲーム開発に参加してきましたが、その方には社会人になってすぐに携わった大規模なオンラインゲームの開発プロジェクトでお世話になりました。当時は、非常に優秀な方々と仕事ができたことが良い経験になりましたが、同時に自分の実力不足を痛感していました。

その後、いくつかの会社で開発を経験した私は対応できる技術の幅が大きく広がり、CGだけでなく様々な仕事を任せられることも多くなったのですが、キャリアとしては製品側に近い描画周りを中心にしたいという思いをもっていました。クリーチャーズからの誘いは自分のやりたいことと仕事内容も一致していたことから、お世話になったことへの恩返しの意味も込めて入社を決めました。

実際にユーザーの目に触れるポケモンCG関連の仕事は、製品を遊んだ方から反応がもらえることがやりがいになります。CGを作る上では、そのポケモンらしさを忠実に表現することが大切です。「ちょっと違うよね」と思われないよう、最新のトレンド技術もバランスよく取り入れることを心がけています。

基盤を作り、資料をまとめることが会社の財産に

現在、環境開発室では物理ベースレンダリングへの対応を進めており、リアルさとポケモンらしさのバランスを探しています。日々新しい技術が登場する中で、光線を追跡してオブジェクトの色や輝度を計算するレイトレースや、DLSSといった超解像の技術は必須になってくるのではないでしょうか。Unreal Engine 5など最新のゲームエンジンに導入されている技術にも注目しています。

技術はアンテナを高くして集め、使えるものを取捨選択することが求められます。そのため、同業のプログラマーが開く勉強会に参加し、さまざまな技術を知ることを意識しています。以前、尊敬する同僚から「技術は個人の資産だが、資料は会社の財産になる」と言われて感銘を受けたことがあり、新しい技術は資料化して社内に共有することにしています。誰にでもわかる資料とすることはもちろん、まとめる段階で「ここの部分がおかしいな」と気付いて注意点を再確認することができるなど、技術研鑽にもつながっています。

基盤となる仕組みを作り、技術を資料化することで、私の経験や技術を汎用化してプログラマーの誰もが使えるようにすることを目指しています。クリーチャーズは発展途上な部分もありますが、非常にレベルの高いメンバーが在籍し、全体を引っ張ってくれています。プログラムチームだけを見ても、建設的な意見交換ができますし、会社全体的にも仲の良い雰囲気が気に入っています。

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